2026年5月2日
情報Ⅰの期末テストで、セキュリティや著作権の問題に苦手意識はありませんか?
「暗号化の種類が覚えられない」「著作権の引用条件がややこしい」という声をよく聞きます。この分野は暗記が多いように見えますが、仕組みを理解すれば整理しやすくなります。
この記事では、セキュリティ・著作権・個人情報の3分野について、テストに出やすいポイントを具体例付きで解説します。期末テスト前の総復習に使ってください。
情報Ⅰの学習全体の進め方は「情報Ⅰの準備と勉強法」でまとめています。
情報セキュリティの基本
情報セキュリティとは、大切な情報を守るための考え方や仕組みのことです。テストでは「3つの要素」が必ず出ます。
情報セキュリティの3要素
- 機密性(きみつせい): 許可された人だけが情報を見られること
- 完全性(かんぜんせい): 情報が勝手に書き換えられないこと
- 可用性(かようせい): 必要なときに情報を使えること
具体例で考えてみましょう。学校の成績データの場合:
- 機密性: 先生と本人だけが見られる(他の生徒は見られない)
- 完全性: 成績が勝手に変更されない
- 可用性: 通知表を渡すときにシステムが動いている
テストでは「次の事例はどの要素が損なわれたか」という形式で出題されます。
情報セキュリティの脅威
脅威(きょうい)とは、情報を危険にさらすもののことです。主な種類を覚えましょう。
マルウェア: コンピュータに害を与えるソフトウェアの総称です。ウイルス、ワーム、トロイの木馬、ランサムウェアなどがあります。
- ウイルス: 他のファイルに寄生して広がる
- ワーム: 自分自身で複製して広がる(寄生しない)
- トロイの木馬: 便利なソフトに見せかけて侵入する
- ランサムウェア: データを暗号化して身代金を要求する
フィッシング: 本物そっくりの偽サイトに誘導し、パスワードやクレジットカード情報を盗む手口です。銀行やショッピングサイトを装ったメールが典型例です。
ソーシャルエンジニアリング: 人間の心理を利用して情報を盗む手口です。「IT部門の者ですが、パスワードを教えてください」と電話する例があります。技術ではなく人をだます点が特徴です。
パスワードと認証
認証(にんしょう)とは、「あなたが本人であること」を確認する仕組みです。
安全なパスワードの条件
テストでよく出る「安全なパスワードの条件」は次のとおりです。
- 8文字以上(長いほど安全)
- 英大文字・英小文字・数字・記号を組み合わせる
- 名前や誕生日など推測しやすい情報を使わない
- 他のサービスと同じパスワードを使い回さない
パスワードについてもっと詳しく知りたい人は「パスワードとは」を参考にしてください。
認証の3つの要素
認証に使う情報は3種類に分けられます。
- 知識情報: 本人だけが知っていること(パスワード、暗証番号)
- 所持情報: 本人だけが持っているもの(スマホ、ICカード)
- 生体情報: 本人の体の特徴(指紋、顔、虹彩)
二要素認証(にようそにんしょう)とは、上の3種類のうち2つを組み合わせる方法です。たとえば「パスワード(知識)+スマホに届くコード(所持)」の組み合わせです。
テストでの注意点: 「パスワードと秘密の質問」は両方とも知識情報なので、二要素認証にはなりません。種類が違う2つを組み合わせる必要があります。
生体認証の特徴
生体認証は便利ですが、弱点もあります。
- メリット: 忘れない、盗まれにくい
- デメリット: 一度漏れると変更できない、体調で認識精度が変わることがある
暗号化の仕組み
暗号化(あんごうか)とは、データを第三者に読めない形に変換することです。元に戻すことを「復号(ふくごう)」と言います。
共通鍵暗号方式
送信者と受信者が同じ鍵(かぎ)を使う方式です。
- 暗号化と復号に同じ鍵を使う
- 処理が速い
- 問題点: 鍵を相手に安全に渡す方法が必要
例え話: 同じ鍵で開け閉めする金庫を想像してください。金庫は安全ですが、鍵のコピーを相手に渡すとき、途中で盗まれるリスクがあります。
公開鍵暗号方式
2つの鍵(公開鍵と秘密鍵)を使う方式です。
- 公開鍵: 誰でも見られる。暗号化に使う
- 秘密鍵: 本人だけが持つ。復号に使う
- 公開鍵で暗号化したデータは、対応する秘密鍵でしか復号できない
例え話: 誰でも手紙を入れられるポスト(公開鍵)と、持ち主だけが開けられる鍵(秘密鍵)の関係です。
SSL/TLSとHTTPS
Webサイトとの通信を暗号化する仕組みがSSL/TLSです。URLが「https://」で始まるサイトは、この暗号化が使われています。ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されます。
HTTPSについて詳しくは「HTTPSとは」で解説しています。
デジタル署名
デジタル署名は「送信者が本人であること」と「データが改ざんされていないこと」を証明する仕組みです。公開鍵暗号の仕組みを応用しています。
- 送信者が秘密鍵で署名を作成する
- 受信者が公開鍵で署名を検証する
テストでは「共通鍵暗号と公開鍵暗号の違い」が頻出です。鍵の数と用途の違いを整理しておきましょう。
著作権の基本
著作権(ちょさくけん)とは、作品を作った人に自動的に与えられる権利です。
著作物とは
著作物とは、思想や感情を創作的に表現したものです。次のようなものが著作物にあたります。
- 文章(小説、ブログ記事、レポート)
- 音楽(曲、歌詞)
- 絵画・イラスト
- 写真
- プログラム(ソースコード)
- 映像(動画、アニメ)
注意: 事実やデータそのものは著作物ではありません。「東京タワーの高さは333m」という事実には著作権はありません。しかし、その事実を独自の文章で表現すれば、その文章には著作権が生まれます。
著作権の発生条件
著作権は、作品を作った瞬間に自動的に発生します。届け出や登録は不要です。これを「無方式主義(むほうしきしゅぎ)」と言います。
テストでよく出るひっかけ: 「著作権を得るには登録が必要である」→ ×(自動的に発生する)
保護期間
日本では、著作者の死後70年間保護されます。2018年に50年から70年に延長されました。保護期間が過ぎた作品は「パブリックドメイン」となり、誰でも自由に使えます。
著作者人格権
著作者人格権は、著作者の人格を守る権利です。他人に譲渡できません。
- 公表権: 作品を公表するかどうかを決める権利
- 氏名表示権: 作品に名前を表示するかどうかを決める権利
- 同一性保持権: 作品を勝手に改変されない権利
テストで出やすい著作権の問題
引用の条件
他人の著作物を自分の文章に引用することは、条件を満たせば許可なくできます。テストでは「正しい引用の条件」がよく出ます。
引用が認められる条件:
- 自分の文章が「主」で、引用部分が「従」であること
- 引用部分を明確に区別すること(かぎかっこや字下げ)
- 出典(出所)を明記すること
- 引用する必然性があること
- 原文を改変しないこと
テストでのひっかけ例: 「レポートの大部分を他人の文章で構成し、出典を書いた」→ これは引用ではありません。自分の文章が「主」になっていないからです。
フリー素材の注意点
「フリー素材」は「何でも自由に使える」という意味ではありません。利用規約を確認する必要があります。
- 商用利用OKかどうか
- クレジット表記が必要かどうか
- 加工・改変が許可されているかどうか
クリエイティブ・コモンズ(CC)
クリエイティブ・コモンズは、著作者が「この条件なら自由に使っていいよ」と意思表示するための仕組みです。
主な条件マーク:
- BY(表示): 著作者名を表示すること
- NC(非営利): 営利目的で使わないこと
- ND(改変禁止): 作品を改変しないこと
- SA(継承): 同じ条件で公開すること
テストでは「CC BY-NC」のように組み合わせの意味を問う問題が出ます。この例なら「著作者名を表示し、営利目的では使わない」という条件です。
プログラムの著作権
プログラム(ソースコード)も著作物です。ただし、プログラミング言語そのもの(文法やルール)には著作権はありません。情報Ⅰのプログラミング分野については「情報Ⅰプログラミング入門」で学べます。
個人情報保護
個人情報の定義
個人情報とは、生きている特定の個人を識別できる情報です。
個人情報の例:
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス(名前が含まれる場合)
- 顔写真
- マイナンバー
注意: 単独では個人を特定できなくても、他の情報と組み合わせて特定できる場合は個人情報にあたります。たとえば「○○高校2年A組の出席番号1番」は、学校の名簿と組み合わせれば個人を特定できます。
個人情報保護法のポイント
テストで出やすいポイントを整理します。
- 個人情報を集めるときは利用目的を本人に伝える
- 本人の同意なく第三者に提供してはいけない(例外あり)
- 本人から開示・訂正・削除を求められたら対応する義務がある
SNSでの注意点
SNSに投稿するとき、次の点に注意が必要です。
- 友達の写真を無断で投稿しない(肖像権の侵害)
- 位置情報付きの写真は自宅や学校が特定される恐れがある
- 一度ネットに公開した情報は完全に削除するのが難しい
テストでは「次の行為のうち、個人情報保護の観点から問題があるものを選べ」という形式で出ます。
テスト頻出問題パターン
期末テストでよく出る問題パターンを紹介します。
パターン1:3要素の判別
問題例: 「サーバーが故障してWebサイトが閲覧できなくなった。損なわれたセキュリティの要素はどれか。」
答え: 可用性(必要なときに使えない状態)
解き方のコツ: 「見られた→機密性」「書き換えられた→完全性」「使えない→可用性」と覚えましょう。
パターン2:暗号方式の比較
問題例: 「共通鍵暗号方式の課題を1つ述べよ。」
答え: 鍵を安全に相手に渡す方法が必要(鍵配送問題)
解き方のコツ: 共通鍵=「鍵が1つで速いが配送が課題」、公開鍵=「鍵が2つで配送は安全だが遅い」と対比で覚えましょう。
パターン3:認証の分類
問題例: 「パスワードとICカードを組み合わせた認証は二要素認証か。理由も述べよ。」
答え: 二要素認証である。知識情報(パスワード)と所持情報(ICカード)の2種類を組み合わせているため。
解き方のコツ: 「知識・所持・生体」のどれに当たるかを判断し、2種類以上なら二要素認証です。
パターン4:引用の正誤判断
問題例: 「次のうち、正しい引用の条件を満たしていないものはどれか。」
選択肢: A. 出典を明記した B. 引用部分をかぎかっこで囲んだ C. レポートの8割が引用である D. 原文を改変していない
答え: C(自分の文章が「主」になっていない)
解き方のコツ: 引用の5条件を思い出し、1つでも欠けていれば不正です。
パターン5:個人情報の判別
問題例: 「次のうち、個人情報に該当するものをすべて選べ。」
選択肢: A. 血液型 B. 氏名 C. 学校名と学年と出席番号の組み合わせ D. 好きな食べ物
答え: B, C(Bは単独で個人を特定できる。Cは組み合わせで特定できる)
解き方のコツ: 「その情報だけで、または他の情報と組み合わせて、特定の個人を識別できるか」を基準に判断します。
中間テストの範囲も含めた総合対策は「情報Ⅰ中間テスト対策」で確認できます。
まとめ
- ✅ 情報セキュリティの3要素は「機密性・完全性・可用性」
- ✅ マルウェアの種類(ウイルス・ワーム・トロイの木馬・ランサムウェア)を区別する
- ✅ 二要素認証は「知識・所持・生体」のうち2種類を組み合わせる
- ✅ 共通鍵暗号は鍵1つで速い、公開鍵暗号は鍵2つで安全
- ✅ 著作権は作品を作った瞬間に自動発生する(登録不要)
- ✅ 引用は5つの条件をすべて満たす必要がある
- ✅ クリエイティブ・コモンズのマーク(BY, NC, ND, SA)の意味を覚える
- ✅ 個人情報は「特定の個人を識別できる情報」
セキュリティと著作権は、覚えることが多く見えますが、仕組みを理解すれば整理できます。この記事のポイントを押さえて、期末テストに臨みましょう。
🚀 情報Ⅰの学習をさらに進めよう!
セキュリティ・著作権の知識は、実際にプログラミングをするときにも役立ちます。このサイトでは、情報Ⅰに対応した学習コンテンツを無料で提供しています。
情報Ⅰの準備と勉強法を見る →あわせて読みたい:joho1-security-encryption、joho1-data-analysis、joho1-binary-calculation、joho1-exam-pseudo-code-reading、joho1-common-test-study-plan